第48回衆議院議員総選挙

政党 日本共産党

概要

共産党の選挙前の議席数は21議席。今回の衆議院選挙では小選挙区206人と比例代表単独37人の合わせて243人を擁立しています。
憲法9条の改正に反対し「前文を含む全条項を守る」としています。また、安全保障関連法、特定秘密保護法、「共謀罪」法の3つの廃止、原発再稼働の中止、消費税率の引き上げ中止を主張しています。「反安倍」を全面的に押し出し、議席数の積み増しを目指します。選挙戦では立憲民主党、社民党と連携します。

参考:共産党 選挙公約

政策

■憲法を改正するべきだ:反対

1憲法
現行憲法に特段の不具合があるわけでなく、国民の間から憲法を変えるべきだという要求があるわけでもないなかで、憲法を変える理由も必要もいっさいありません。だいたい、この間、改憲を主張する人たちは、改憲すべき内容として、改憲手続き条項(96条)だったり、緊急事態条項の創設だったり、あるいは教育無償化だったりと、毎年のようにころころ変わってきました。ここには、〝変える内容はどうあれ、とにかく改憲したい〟という姿勢しかありません。集団的自衛権の法制化(安保法制)や臨時国会の召集義務(53条)の否定、国民の内心の自由を侵す共謀罪の強行など、憲法を踏みにじってきた勢力に改憲を語る資格はないというべきです。

■憲法9条を改正し、自衛隊の存在を明記すべきだ:反対

2自衛隊
9条に自衛隊を明記する改憲案は、単に存在する自衛隊を憲法上追認するだけではありません。「後からつくった法律は、前の法律に優先する」というのが、法の一般原則です。たとえ9条2項(戦力不保持・交戦権の否認)を残したとしても、別の項目で自衛隊の存在を明記すれば、2項が空文化=死文化することになります。世界に誇る平和主義を定めた9条によって、逆に無制限の海外での武力行使が可能になってしまいます。しかも、憲法9条に書き込もうという自衛隊は、安保法制=戦争法によって集団的自衛権の行使が可能となった自衛隊です。これを憲法に書き込むということは、憲法違反の安保法制を合憲にするということにほかなりません。

■2019年10月に消費税を10%に引き上げるべきだ:反対

3消費税
消費税増税は必ず増税不況を引き起こします。14年4月に税率を8%に引き上げたとき、政府は「景気への影響は一時的だ」といいましたが、増税から41か月たっても、消費の落ち込みが続いています。この41か月のうち、消費が前年を上回ったのはわずか4か月で、残り37か月はマイナスです。増税前に比べて、1世帯当たりの家計消費は年額で20万円も減ってしまいました。このうえ消費税を増税すれば、暮らしも経済も重大な事態に陥ります。消費税増税には反対です。消費税は消費性向の高い低所得者ほど、負担率が高くなる、逆進的な税制であり、消費増税は格差と貧困をさらに拡大します。

■消費税引き上げによる増収分の使い道を財政再建から変更すべきだ:反対

4使いみち
私たちは「使い道」以前に、消費税増税そのものに反対です。安倍首相の言う「教育・子育てに回す」という点についていえば、教育分野での国民の切実な願いを「人質」にして、消費税増税をおしつけようとする姑息なやり方です。そもそも、この3年間連続して国の教育予算を削減し、安倍政権以前に比べて600億円も減らしてきた安倍首相、森友や加計など、教育分野で政治の私物化をしてきた安倍首相に、「教育」を語る資格があるのでしょうか。教育・子育て予算の確保も、財政再建も、消費税頼みではなく、大企業や富裕層への優遇税制をただすなど、「別の道」を進むべきです。日本共産党は、そのための具体的な財源提案も発表しています。

■「アベノミクス」を推進すべきだ:反対

5アベノミクス
「アベノミクス」のもとで、大企業は史上最高益を更新し、400兆円もの内部留保を積み上げ、富裕層の資産も2倍に膨れ上がりました。ところが、賃上げはわずかで、消費税増税などによる物価上昇に追い付かず、労働者の平均実質賃金は、安倍政権以前に比べて年額10万円も減っています。勤労者世帯の実質可処分所得は年間で25万円も減りました。安倍政権の4年半で実質成長率は年平均1.4%にとどまり、民主党政権時代の1.6%より低い水準です。「雇用が増えた」といいますが、この4年間で増加した230万人の9割は非正規雇用です。大企業や富裕層の利益を増やす■「アベノミクス」を推進すれば、ますます格差が広がるばかりです。

■安全保障関連法を廃止すべきだ:賛成

6安全保障関連方
安保法制=戦争法は「戦争する国」づくりを目的にしたもので、①「戦闘地域」での米軍などへの兵たんの拡大、②戦乱が続いている地域での治安活動、③地球のどこでも米軍を守るための武器使用、④集団的自衛権の行使という、自衛隊の海外での武力行使を可能にする四つの仕組みが盛り込まれています。とくに政府は現在、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる緊張が高まるなか、安保法制の発動として「米艦防護」「燃料補給」を実施しています。しかもそれを国民に知らせていません。万一、米朝間で軍事衝突が起こった場合、国民が知らないところで日本が自動的に参戦し、戦争の当事者となる危険が高まっています。その意味でも廃止は急務です。

■2030年までに原発ゼロを目指すべきだ:賛成

7原発ゼロ
日本共産党は、ただちに原発ゼロの政治決断をして原発再稼働を中止し、2030年を待つことなく、全ての原発で廃炉のプロセスに入るという立場です。世論調査でも、再稼働反対は国民の中の揺るがない多数派です。約2年にわたって「稼働原発ゼロ」となり、日本社会が原発ゼロでやっていけることも証明ずみです。原発の再稼働は必要ありません。再稼働すれば、計算上わずか6年で、すべての使用済み核燃料貯蔵プールが満杯になり、「核のゴミ」の問題を深刻化させるだけです。再処理をすればプルトニウムが出ますが、日本はすでに国内外に47トンものプルトニウムを保有しており、核拡散防止の観点から利用目的のないプルトニウムの保有はできません。



■幼児教育を無償化すべきだ:賛成

8幼児教育
幼児期は人格の土台をつくる大切な時期であり、家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かな教育・保育が保障される必要があります。ところが現状では、教育費負担の重さが格差の連鎖を生んでいます。9月に公表された教育予算の世界ランキング(公財政教育支出の対GDP比)では、日本はOECD34ヵ国で最悪になりました。今年度の国の教育予算は5年前より600億円も削られているのです。教育への公的支出(GDP比3.2%)を先進国平均(4.4%)並みにすれば、6兆円の公的支出を増やせます。日本共産党は、教育・子育てに予算を使う政治に変え、幼稚園・保育園のみでなく、高校授業料までの完全無償化を進めます。

■ベーシック・インカムを導入すべきだ:やや賛成

9ベーシック・インカム
ベーシック・インカムの考え方は、憲法25条に規定された国民の生存権などにてらして、積極的な意味を持っており、検討に値すると考えています。わが党は、最低保障年金の創設を提案していますが、これは、年金保険料の支払いの有無を問わず、最低月5万円を給付し、それに払った保険料に応じた額を上乗せするというものです。これは、ベーシック・インカムの考え方に近いものです。同時に、いくばくかのベーシック・インカムと引き換えに、現在の年金や生活保護、医療などの社会保障制度を“廃止”するというのでは、国民生活に深刻な打撃をもたらします。財源とともに、憲法25条の生存権を保障する制度となりえるのかが最大の問題です。



■安倍政権の政権運営を評価するか:反対

10安倍政権
憲法破壊、民意無視、国政私物化の安倍政治は評価できません。退場すべきです。国民の知る権利と言論の自由を奪う特定秘密保護法、集団的自衛権の行使は憲法違反としてきたこれまでの政府の解釈をひっくり返す戦争法、国民の内心を処罰する共謀罪法、どれも海外で戦争をする国にするための憲法違反の法律です。沖縄県民の願いを無視した米軍基地建設の強行、原発を再稼働させるなという国民多数の声に背を向け、核兵器を禁止する条約にも反対する、安倍政治には民意を大切にする姿勢は見られません。森友・加計学園問題は、安倍首相夫妻の「お友達」に便宜をはかる国政の私物化です。疑惑隠しの身勝手な解散は国会私物化を象徴するものです。

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