第48回衆議院議員総選挙
政党 公明党
概要
公明党の選挙前の議席数は34議席。今回の衆議院選挙では小選挙区9人と比例代表単独44人の合わせて53人を擁立しています。
消費税率引き上げ時の「軽減税率」の導入と教育費負担の軽減、高齢者支援の充実という3つをポイントに掲げています。中でも安倍首相による消費増税分の使途変更を踏まえ、教育費負担の軽減を前面に押し出しています。憲法9条の改正については連立を組む自民党に配慮しつつ「意図は理解できないわけではありませんが、(自衛隊が)憲法違反の存在とは考えていません」と慎重な姿勢を示しています。
政策
■憲法を改正するべきだ:やや賛成
現行憲法は、優れた憲法であると評価しています。日本の民主主義を進展させ、戦後秩序の基本となりました。とくに、「国民主権」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」の3原理は普遍の原理であり、将来とも堅持します。一方、憲法施行時に想定できなかった課題が明らかになり、憲法規定に不備があるためそれを解決できないのであれば、そのために新たな条文を付け加えること(加憲)によって改正することを考えています。これまで加憲議論の対象としてきた項目は、例えば、環境権、国と地方の在り方(地方自治等)、緊急事態における国会議員の任期の特例などです。それぞれ多岐にわたる論点があり、さらに議論を深めてまります。
■憲法9条を改正し、自衛隊の存在を明記すべきだ:どちらとも言えない
憲法9条1項2項は、憲法の平和主義を体現するもので、今後とも堅持します。平和安全法制の成立で、9条下で許される「自衛の措置」の限界を明確にし、現下の厳しい安全保障環境であっても平時から有事に至るまでの隙間のない安全確保が可能になったと考えています。一方で、9条1項2項を維持しつつ、自衛隊の存在を明記し、一部にある自衛隊違憲の疑念を払拭したいとの提案がされています。その意図は理解できないわけではありませんが、多くの国民は自衛隊の活動を支持し、憲法違反とは考えていません。大事なことは、わが国の平和と安全を確保するため、平和安全法制の適切な運用と実績の積み重ね、国民の理解を得ていくことだと考えます。
■2019年10月に消費税を10%に引き上げるべきだ:賛成
法律に明記されている通り、消費税率を10%に引き上げ、子育て支援や社会保障の充実のための安定財源を確保していくことが必要です。しかし、消費税率の引き上げにより消費が停滞してしまっては、かえって経済にマイナスの影響を与える可能性があります。そこで公明党は、消費税の引き上げ時には、軽減税率を確実に実施し家計負担を軽減するとともに、将来不安の解消に資する教育や社会保障制度の充実に取り組むべきだと考えています。
■消費税引き上げによる増収分の使い道を財政再建から変更すべきだ:やや賛成
増収分の使い道については、教育費の負担軽減等に使う方針が示されています。この方針については、国民の安心感を生み出すことで、消費を支え、経済成長や税収増に繋げるために必要であると考えます。しかし、財政再建の旗を降ろすわけではありません。今回の衆院選挙で、国民から新しい政策の方向性に理解を得た上で、中長期的な視野で次の具体的な目標をつくるなど財政健全化への取り組みを進めるべきです。安定財源として消費税収の一部の活用、安定した経済成長による歳入増、徹底した歳出改革、こうした取り組みを通じて着実に財政再建を前に進めていきたいと考えております。
■「アベノミクス」を推進すべきだ:賛成
政権交代後、経済は大きく好転し、名目GDPは50兆円増加、8000円台だった株価は2万円まで上昇。雇用も大きく改善し、有効求人倍率は全都道府県で1倍を超え、中でも正社員の求人倍率は統計開始以来、初めて1倍を超えるとともに、所得環境も、中小企業を含め2%程度の高い賃上げが4年連続で実現しています。引き続き、経済の好循環をより確かなものとするため、継続的な賃上げ、働き方改革等を通じた可処分所得の引き上げや、人材投資を通じた生産性の向上などに取り組むことが重要です。併せて、潜在成長率を底上げする成長戦略の加速化、地域経済の活性化を図る地方創生、特に観光、農林水産業、中小企業への支援を充実すべきと考えます。