第48回衆議院議員総選挙
政党 希望の党
概要
希望の党の選挙前の議席数は57議席。今回の衆議院選挙では小選挙区198人と比例代表単独37人の合わせて235人を擁立しています。
アベノミクスに対抗して「ユリノミクス」を進めると主張。消費税率引き上げを凍結し、代替財源として大企業の内部留保への課税を検討するとしています。憲法については「憲法9条を含む憲法全体の見直しを与野党協議で進める」とし、自衛隊の存在明記については「公民の理解を得られるか見極めたうえで判断」とあいまいにしました。原発については2030年までの「原発ゼロ」を目指すとしています。選挙戦では日本維新の会と一部地域で候補者調整しました。
政策
■憲法を改正するべきだ:賛成
自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法のあり方を議論します。たとえば、国民の知る権利を憲法に明確に定め、国や自治体の情報公開を進めること。地方自治の「分権」の考え方を憲法に明記し、「課税自主権」、「財政自主権」についても規定すること。これらを含む憲法全体の見直しを、与野党の協議によって進めていきます。
■憲法9条を改正し、自衛隊の存在を明記すべきだ:やや賛成
自衛隊の存在は国民に高く評価されており、これを憲法に位置づけることについては、国民の理解が得られるかどうか見極めた上で判断します。
■2019年10月に消費税を10%に引き上げるべきだ:反対
消費税法の現行規定には、■消費税引き上げについて経済状況の好転を条件とする「景気条項」が存在していません。地方や中小企業などを中心に必ずしも成長の実感が伴わない中で消費税引き上げを強行すると景気が失速する可能性が高いため、■2019年10月に予定されている10%への消費税引上げは凍結します。
■消費税引き上げによる増収分の使い道を財政再建から変更すべきだ:どちらとも言えない
消費税を上げるとの前提に立っていないため、増収分の使い道については決めていません。消費税率の引き上げ如何にかかわらず、雇用・教育・福祉を含めて必要な施策には取り組むべきです。消費税率引き上げ前に、国会が自ら身を切り、公共事業をはじめまずは歳出削減を行い、国有資産の売却なども徹底すべきです。300兆円もの大企業の内部留保への課税なども検討し、プライマリーバランスの改善を図ります。
■「アベノミクス」を推進すべきだ:やや反対
アベノミクスは、民間活力を引き出す規制改革が不十分でした。大胆な働き方改革はもとより、おともだち厚遇ではない特区を活用した抜本的な規制改革を進めます。AI、FinTech、自動運転など先端分野での競争力を高め、起業を促進し、経済での自律的成長を目指します。同時に「民間ができることは民間で」の精神に基づき、政府系金融機関及び官民ファンドは可及的速やかに廃止します。東京オリンピック・パラリンピックの成功に万全を期すとともに、日本と東京をアジアナンバー1の国際金融センターとして復活させるための規制や税制の見直しを断行します。
■安全保障関連法を廃止すべきだ:反対
安保法制をめぐる与野党の不毛な対立から脱却し、日本の厳しい安全保障環境に対しては、党派を超えて取り組みます。現在緊張の高まる北朝鮮への対応や、ミサイル防衛などを含め、現行の安全保障法制は憲法に則り適切に運用します。サイバーテロへの対策など、あらゆる脅威への現実主義に立脚した外交安全保障体制を構築します。同時に、近年の大きな自然災害などから国民の生命、財産、主権を守るための万全の備えを整えます。
■2030年までに原発ゼロを目指すべきだ:賛成
2013年9月16日から、約1年11ヶ月は稼働原発ゼロでした。今現在稼働している原子力発電所は全国で(57基中)5基。原発が日本の将来を担うエネルギーだと私たちは考えられません。日本に残すべき原子力技術の保持方法を確保した上で、2030年までに原発はゼロへ。再生可能エネルギーの比率を30%まで向上させ、省エネを徹底したエコ社会を実現します。エネルギーの問題は、経済の問題であるとともに、一人一人の生活に直結する問題でもあります。どういう生活を、社会を、未来を選択するのか、今考える必要があります。
■幼児教育を無償化すべきだ:賛成
多くの若者が希望するのは、正社員で働ける、結婚できる、子どもを育てられる社会。長時間労働を規制し、正社員を増やす企業を応援します。少子化問題の解決のカギもここにあります。親の所得に関係なく、子どもが希望を持てるよう、保育園・幼稚園の無料化と、返済不要の奨学金を増やします。
■ベーシック・インカムを導入すべきだ:賛成
格差が極大化するAI(人工知能)時代を念頭に、基礎年金、生活保護、雇用保険等をBI(ベーシックインカム)に置き換えることを検討します。所得税増税と差引きすると、低所得者は給付増、高所得者は負担増となります。
■安倍政権の政権運営を評価するか:やや反対
安倍政権は、既得権益、しがらみ、不透明な利益を断ち切れずにおり、この点でも説明責任を果たしていないと考えます。アベノミクスも十分な成果が見られず、国民の多くが景気回復を実感していません。他方、超党派で取り組まれてきた課題もあり、その点での前進は評価できます。